採寸方法

ご依頼頂く際に是非教えていただきたい寸法の測り方をここでご説明致します。
採寸方法には実際の体の寸法を測ったヌード寸法と服になった状態で計った仕上がり寸法がございます。

採寸のための基準点

ご説明の前に採寸でここだけは知っておいていただきたい基準点が2箇所ございます。
この2カ所はあとでサイズを測る際の基点となりますので非常に重要となって参ります。

  • バックネックポイント(back neck point,BNP)
    首の後ろ側の根本の首を前に倒したときに飛び出てくる背骨の位置。
  • ショルダーポイント(shoulder point,SP)
    側面から見て上腕の幅のほぼ中央になる位置で、服を着たときに、前から見て袖が垂れ下がり始まる位置。

ヌード寸法の測り方

バスト、ウエスト、ヒップについては、言葉のみの説明にとどめさせて頂きます。

  • バスト
    乳頭点の位置を通るようにメジャーを水平にまわし、締め付けないように注意して測る。後ろは肩甲骨のはりがあるため、メジャーが下がりやすいので気を付けましょう。
  • ウエスト
    通常は胴の一番細くなっている部分をウエスト周りと呼んでいます。ですが実際にはその位置の寸法で服を製作することはあまりありません。服のウエスト部分を胴の一番細い位置まで上げてしまいますと、股上がかなり深くなりデザイン的にも美しくないからです。そのため製作の際は一番細い位置よりも下がった腰回りで測った寸法で製作をさせて頂きます。
  • ヒップ
    腰の一番太い所を水平に一回りする。腹部の出ている人やふとももの発達している人は、その分を見越して寸法が不足しないようにして下さい。

背肩幅、袖丈、裄丈の測り方

  • 背肩幅
    片側のショルダーポイントからスタートし、バックネックポイントを通り、反対側のショルダーポイントまでの3点間の長さを測ります。
  • 袖丈
    腕を自然に垂らした状態でショルダーポイントから手首周りまでを測ります。
  • 裄(ゆき)丈
    バックネックポイントからスタートしショルダーポイントを通り、手首周りまでを測ります。

仕上がり寸法の計り方

  • 身幅
    和裁用語の「後幅」を2倍した寸法が洋裁用語の「身幅」となります。
    身幅を2倍した寸法がおおよそのバスト周り寸法となります。
    バスト周りのフィット感を左右する寸法ですので、ヌードのバスト寸法にゆとりを加えて数値を導きます。
  • 着丈(身丈)
    洋裁用語では「着丈」、和裁用語では「身丈」と呼びます。後ろ衿の付け根から裾までを測ります。
  • 裄(ゆき)丈
    後ろ衿の付け根から袖先までを測ります。袖の長さはこちらの数値でご指定いただけます。
  • 袖丈
    洋裁では袖丈は肩先から袖先までを指しますが、和裁では腕を横にした際の袖の縦の長さを袖丈と言います。
    そのため袖の長さのご指定は上記の裄(ゆき)丈でご指定いただき、袖丈は袖の形状(振り袖、筒袖等)をご指定いただく際の寸法となります。
  • 袖口幅
    袖口は全開にするデザインと、腕を出す分量だけを開けて他は縫い閉じてしまうデザインとがございます。
    こちらの寸法で開ける分量をご指定いただけます。
  • パンツ丈
    パンツの一番上から裾までを測ります。
  • ウエスト周り
    お祭り衣装では、ゴムで縮めることが多いので、ゴムで縮める前と縮めた後の寸法でご指定いただけますと助かります。
  • 袴丈
    ウエストひものすぐ下から裾までを測ります。
  • 腰幅
    たっつけ袴は、両サイドが逆三角形に開いておりますので、この寸法で開き具合をご指定いただけます。
  • 前ひもの長さ
    ひもの端から端までの長さを測ります。着付け方法は様々ですが、ウエストを何周かさせる場合は、その分長くなります。
    後ろ紐と長さを変える場合は、後ろの長さもご指定ください。
  • 脚絆丈
    着脱を容易にするために脚絆(きゃはん)と袴を一体化して制作をしております。ヌード寸法の膝下の長さから数値を導きます。

服のゆとりについて

服と身体の寸法差をゆとりといいます。
ゆとり寸法は服を着てみて「ちょうどいい大きさだ。」「少しきついな。」「ブカブカだな。」「動きやすい服だな。」などの着心地を左右します。
そのため製作の際はバスト、ウエスト、ヒップでのゆとりがそれぞれどれくらいをご希望かお聞きしております。
数値でも結構ですし、ゆったりめ(ルーズフィット)、普通(ジャストサイズ)、ぴったりめ(タイトフィット)などでご指定下さい。
ゆとりの分量ですが、ヌード寸法に+2~3c位では運動量(身体を動かす為の余裕分)が不足しますので、ストレッチ素材でない場合は身体を動かしただけで服が破けそうになります。
最低でも6cくらいのゆとりをお勧め致します。(レオタードのような身体にフィットしたものは除きます。)
ご自身でお持ちの既製服を床に置いて計っていただけますと、どれくらいゆとりが入っているかご確認いただけます。(たとえばお気に入りのシャツのバスト位置での仕上がり寸法が96cで、ご自身のバストサイズがヌード寸法で80cだった場合のゆとりは 96c-80c=16c でバストで16cのゆとりが入っていたことがわかります。)

目安といたしましては
ゆったりめ ゆとり +20c以上
普通    ゆとり +10~19c
ぴったりめ ゆとり +6~9c
くらいでお考えいただけますでしょうか。
尚、ベルト無しではくスカートなどはウエストでのゆとりは+2~4cでお作り致します。