みなさま、こんにちは。
ようやくマスクの着用が個人での判断に委ねられるようになり、屋外での活動もしやすくなってきました。
このところ春らしい気温になってきたこともあり多くのお問い合わせを頂戴し、よさこいの季節が本格的に始まってきたと実感しております。
コロナで活動を控えておられたチームも今年から活動を再開されるところも多いことかと思います。
長かったコロナ禍ですが、その間世界が大きく変化しておりました。
その一つが物価高です。
原油価格の高騰などで物の値段が上がっており、昨年は生地のメーカーさんから一年に二回も値上げのお知らせが届くような異常事態となっております。
そのため誠に心苦しいのですが、やむを得ずセミオーダー商品を一部値上げ致しました。
お祭り、よさこい、太鼓衣装を製作する際に、一番はじめに議題に上るのが予算だと思います。
そこでできるだけ安くクオリティが高い衣装を作るにはどうすれば良いかを具体例を交えてご紹介させていただきます。
よさこい衣装の製作費用の内訳を見ていきますと
①原材料費(生地、芯地、糸、ひも等)
②プリント費用
③縫製工賃
④弊社利益
以上大きく分けて4つの項目から製作費が決まります。
これらの費用をどうすれば安くできるかを順番にご説明させていただきます。
目次
原材料費を安くする方法
1.生地費用を抑える
原材料費の中でも一番多くを占めるのが生地の価格です。
よさこい衣装によく使われるアムンゼン生地を、生地メーカーから直接1反50m単位で仕入れますと1mあたり約400円、市販の切り売りのお店から購入しますと1mあたり600~800円程度かかります。
少し見栄えがするように、和柄生地を使いますと安いものでも1m1000円程かかります。
更にオリジナルで模様をプリントしたテキスタイルプリント生地を使いますと1m3000~4000円程かかります。
それらのことを踏まえますと安くする方法と致しましては、高価で見栄えのする生地を広範囲に使用するのではなく、目立つ位置に効果的に使用することになります。
このあたりは振り付けやポージングなどによって変わりますので、どこを見せたいのかで優先順位を決めて生地選びをして頂けますでしょうか。
2.プリントを効果的に配置する
背中や袖にチームロゴを配置する場合、プリントのない部分も含めてすべての生地をプリントで再現するのではなくロゴのある背中や袖だけオリジナルのテキスタイルプリントを使用すれば費用を抑えられます。
その際にご注意いただきたいのは、テキスタイルプリントと市販生地の色味を全く同じにすることが難しいため、テキスタイルプリントの色と、市販生地を使用した他の部分とで色の違いが生じる場合がございます。特に全パーツが同系色でまとめられていると微妙な違いが目立ちやすくなります。
3.生地幅も考慮する
生地サンプルで生地をお選びいただく際の注意点ですが、生地の価格だけではなく、生地幅も良くご確認いただけますでしょうか。
生地幅は90cmから110cm、150cmなど様々ございます。1mあたりの価格だけを見て90cmの生地幅を選ぶと生地の量が多く必要となり、かえって生地代がかかる場合があります。
金襴や綸子などの生地は生地幅が70cmほどしかない場合が多いためかなり高額になり、レーヨンや金属糸が入っていることでご家庭での洗濯がむつかしいことから当サイトではあまりお勧めはしておりません。
プリント費用を安くする方法
最近はお客様ご自身でラフスケッチなどでデザインのご要望をお伝えいただくことが多くなりましたので、一からこちらでデザインすることは珍しいのですが、少しでもデザインの方向性が決まっていたほうが何もない状態からデザインするよりデータ作成費用を安く抑えられます。
ロゴや模様のデザインは、パソコンのソフト「Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)」で行っております。そのためこのイラストレーター形式のデータを持ち込みいただけましたら、データ作成費用を抑えることが可能です。
1.フリー素材を使って制作する
イラストレーター形式のデータは、具体的には.aiや.EPS .epsなどの拡張子が付いたファイルとなります。イラストレーターのソフトをお持ちでない場合はこれらのファイル形式でデータを持ち込むことが難しいのですが、以下のサイトではイラストレーター形式のフリー素材が入手できます。
イラストAC
https://www.ac-illust.com/
こちらのサイト内でお好きなモチーフをお選びいただきまして、配置などをご指定頂けましたら安くデータ作成が可能です。
下記のサイトではイラストレーター形式の筆文字ファイルのフリー素材もあります。
かなりたくさんの筆文字がありますので、チーム名に由来した筆文字が見つかるかもしれません。
brushstock
https://brush-stock.com/
2.ご自身でイラストを描いてお送りいただく
最近はフリーのお絵かきアプリの性能も上がり、プロ用と遜色ない機能を備えたものが多くなっております。
そのようなお絵かきアプリを使ってご自身でイラストを描いていただき、そちらをそのままプリントすることができましたらデータ作成費用を抑えられます。
フリーソフトで有名なアイビスペイントでしたら、Android端末、i-phone両方に対応しておりますので、誰でもイラストを描くことができます。
アイビスペイントなどのフリーソフトでロゴやプリントをお送り頂く場合は、画像をできるだけ大きくしたものをお送り頂けますでしょうか。
その際の設定ですが、新規キャンバスでキャンバスサイズはA4以上、解像度は300dpi以上、背景を透明にし「透過PNG保存」でデータを製作して頂けますようお願いいたします。
縫製工賃を安くする方法
当サイトでは縫製はすべて国内縫製となっております。
縫製工賃を抑えるために、固定費の安い田舎、家賃のかからない会社所有の工場で製作するなどの努力をしておりますが、人件費の高騰もありこの部分はなかなか削減が難しいところではございます。
お客様側で行っていただけることで費用を抑える方法がいくつかございますのでご案内させていただきます。
1.セミオーダー商品からお選びいただく
セミオーダー商品はすでに基本的な形で型紙が作成されておりますので、特殊なデザインが必要ない場合は、セミオーダーをベースにして生地の種類や配色、プリントをアレンジしていただくと、一からフルオーダーで製作する場合に比べて縫製工賃が安くなります。
2.デザインを揃える
制作枚数につきましては男女や役割でデザインを変えますと、別衣装扱いとなりますので量産効果が薄れ費用が高くなってしまいます。
3.生地の色数を絞る
生地を縫う糸は、生地の色ごとに変えて縫いますので、1着の衣装で色違いの生地が複数使われていますと、それだけ糸を変える時間が多くなり、また生地費用も増えるため、結果として縫製工賃が高くなってしまいます。
デザインに影響がないのであれば、できるだけ色数を減らすことで費用を抑えられます。
4.サイズ数を減らす
縫製はサイズごとにまとめて行いますので、サイズが増えると別ラインを立ち上げて縫製作業を行う必要がございます。
また総制作枚数によってサイズの無料展開数が決まっておりますので、チームのメンバーにそれほど体型差がないのであれば、サイズをまとめていただいたほうが費用を抑えられます。
5.納期にゆとりをもたせる
納期に関しましては通常ご注文から2,3ヶ月頂戴しておりますが、それより短い納期になりますと特急対応となり別途特急料金が必要となってまいります。
できるだけお早めのご連絡を頂戴できますと助かります
6.お客様ご自身で取り付けをしていただく
ホックや房紐など、プロでなくても取り付けができるパーツがございます。
それらをご自身で取り付けしていただくことで費用を抑えることができます。
半完成状態での納品も承っておりますので、お気軽にご相談ください。
弊社利益を安くする方法
自社の利益をどのくらいにするかというのは大変悩ましいことです。
他の衣装製作業者さんとの競争となりますので、あまりに高い費用で見積もったのでは、ご依頼が頂けないからです。かといって安すぎると事業の継続が難しくなります。
適正な価格でお見積りをするようにしておりますが、ご依頼につながらなかったりすると「ぎりぎりまで安くしたつもりだったけど、高かったのかなぁ。」と思い悩むこともあります。
日々悩みながら見積もりをしているのですが、確実に安くできると言い切れる方法が一つあります。
それは
「冬にご依頼いただく」
ことです。
よさこい衣装の製作が集中するのは3月から9月頃です。
イベントが少なくなる秋から冬はご依頼も落ち着いてきますので、お仕事が全くなくてスタッフが暇を持て余すよりも、たとえ安くても仕事があったほうが、スキルアップにもつながり弊社にとってはありがたいので、この時期は安く見積もりをするようにしております。
デザインの選定期間も十分に取れますので、秋ごろには来年度の衣装製作の準備を始めていただけますと安い費用で高いクオリティの衣装が製作できます。
以上よさこい衣装を安く製作する方法をまとめてみました。
長い文章を最後までご覧いただきありがとうございました。
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