よさこい衣装を安く製作する方法

チームで衣装を製作する際に、一番はじめに議題に上るのが予算だと思います。
そこでできるだけ安くクオリティが高い衣装を作るにはどうすれば良いかを具体例を交えてご紹介させていただきます。

よさこい衣装の製作費用の内訳を見ていきますと
①原材料費(生地、芯地、糸、ひも等)
②プリント費用
③縫製工賃
④デザイン費用
⑤弊社利益
以上大きく分けて5つの項目から製作費が決まります。

これらの費用をどうすれば安くできるかを順番にご説明させていただきます。

目次

原材料費を安くする方法

原材料費の中でも一番多くを占めるのが生地の価格です。

着物タイプの上着を一着作る際、当サイトのセミオーダー商品「セミオーダー ~着物 ベーシックショート丈~」Lサイズで生地幅110cmの生地を使用した場合、約3.1m、「セミオーダー ~着物 ベーシックロング丈~」で約3.5mほど生地が必要になります。当然サイズが大きくなれば更に必要となります。

よさこい衣装によく使われるアムンゼン生地を、生地メーカーから直接1反50m単位で仕入れますと1mあたり約400円、市販の切り売りのお店から購入しますと1mあたり600~800円程度かかります。

少し見栄えがするように、和柄生地を使いますと安いものでも1m1000円程かかります。

更にオリジナルで模様をプリントしたテキスタイルプリント生地を使いますと1m3000~4000円程かかります。

それらのことを踏まえますと安くする方法と致しましては、高価で見栄えのする生地を広範囲に使用するのではなく、目立つ位置に効果的に使用することになります。
具体的には、使用量が少ないですが、顔に近く目立つ衿部分、ここは思い切って良い生地を使用したほうが良いです。

また背中や袖にチームロゴを配置する場合、その部分だけオリジナルのテキスタイルプリントを使用することをお勧めいたします。
テキスタイルプリントはかなり費用が高くなりますが、使用部分を少なくすれば、1mで2着分の生地が取れますので、実質2000円ほどでプリントができることになります。
テキスタイルプリントは多色プリントでも模様の細かいプリントでも費用が変わりませんので、シルクスクリーンやアイロンプリントカッティングシートでプリントする費用と同じくらいかむしろ安くなる場合があります。
その際にご注意いただきたいのは、生地代を抑える場合はテキスタイルプリント部分以外の生地は市販の生地を使用するのですが、テキスタイルプリントと市販生地の色味を全く同じにすることは難しいため、気にされる場合はテキスタイルプリントの土台の色と、他の部分の色を変えたほうが無難です。

あと生地サンプルで生地をお選びいただく際の注意点ですが、生地の価格だけではなく、生地幅も良くご確認いただけますでしょうか。
生地幅は90cmから110cm、150cmなど様々ございます。1mあたりの価格だけを見て90cmの生地幅を選ぶと生地の量が多く必要となり、かえって生地代がかかる場合があります。
金襴や綸子などの生地は生地幅が70cmほどしかない場合が多いためかなり高額になり、レーヨンや金属糸が入っていることでご家庭での洗濯がむつかしいことから当サイトではあまりお勧めはしておりません。

プリント費用を安くする方法

チームロゴや文字、模様を再現する方法は、主に下記の3つがあります。

  • テキスタイルプリント
  • アイロンプリントカッティングシート
  • シルクスクリーン

それぞれメリットとデメリットがございます。

◇テキスタイルプリント
パソコンのプリンターを大きくした様な機械で紙の代わりに生地にインクを噴射してプリントをしていきます。
メリット:多色プリントが比較的低価格で可能(メタリックプリントは不可)、市販品では売っていない模様も再現可能、堅牢度が高い(色落ちしにくい)
デメリット:費用が高い、データ作成費用が必要、製作期間が追加でかかる

◇アイロンプリントカッティングシート
カッティングプロッターを使い、パソコンで描いた模様にそってシートをカッター刃で切り抜きアイロンで接着します。
メリット:版代が不要、模様がシンプルであれば低価格、メタリック等様々なシートから選べる
デメリット:色を増やすと費用が倍になる、細かい模様には不向き

◇シルクスクリーン
メッシュ状のスクリーンに穴を開けて穴の部分だけにインクを通して印刷する方法です。
メリット:一度版を作るとプリント加工賃自体は安価、ラメやメタリックプリント可
デメリット:色を増やすと費用が倍になる、細かい模様には不向き、製作期間が追加でかかる

テキスタイルプリントは範囲内でしたらどれだけモチーフを詰め込んでも費用は変わりませんので、土台に模様を配置し、チームロゴをその上に配置したりワンポイントのデザインを追加したりできますので、背中や、袖の前側だけにデザインを集中させて費用を抑える方法が使えます。

アイロンプリントカッティングシートは広範囲よりも小さな部分のプリントに適しております。胸や衿に家紋を入れたり、小さめのチームロゴを再現するのに向いています。

シルクスクリーンは昔からある技法なのですが、プリント業者さんが減っており、プリントにムラがあるため最近はあまり使っておりません。

縫製工賃を安くする方法

当サイトでは縫製はすべて国内縫製となっております。
縫製工賃を抑えるために、固定費の安い田舎、家賃のかからない会社所有の工場で製作するなどの努力をしておりますが、人件費の高騰もありこの部分はなかなか削減が難しいところではございます。

お客様側で行っていただけることと致しましては、

・セミオーダー商品からお選びいただく
・カラー、デザインを揃えて制作枚数を多くする
・生地の色数を絞り、糸替えの時間を減らす
・サイズ展開を減らす
・納期にゆとりをもたせる
・製作が可能なパーツやアイテムは、お客様ご自身で製作や取り付けをしていただく

方法などがございます。

セミオーダー商品はすでに基本的な形で型紙が作成されておりますので、特殊なデザインが必要ない場合は、セミオーダーをベースにして生地の種類や配色、プリントをアレンジしていただくと、一からフルオーダーで製作する場合に比べて縫製工賃が安くなります。

制作枚数につきましては男女や役割でデザインを変えますと、弊社で設定しております枚数ごとの試着サンプルの無料回数や無料サイズ展開数が別カウントとなりますのでご注意ください。
例)
男女共通デザインで10着の場合→試着サンプル1着無料、サイズ展開2サイズ無料

男女別デザインでそれぞれ5着ずつ合計10着の場合→それぞれが5着製作扱いとなり試着サンプル有料、サイズ展開は1サイズのみとなり、量産効果の減少により費用も上がってまいります。

また納期に関しましては通常ご注文から2,3ヶ月頂戴しておりますが、それより短い納期になりますと特急対応となり別途特急料金が必要となってまいります。
できるだけお早めのご連絡を頂戴できますと助かります。

デザイン費用を安くする方法

最近はお客様ご自身でラフスケッチなどでデザインのご要望をお伝えいただくことが多くなりましたので、一からこちらでデザインすることは珍しいのですが、ロゴやテキスタイルプリントがある場合は、デザインをご提案して制作しております。

ロゴや模様のデザインは、パソコンのソフト「Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)」で行っております。そのためこのイラストレーター形式のデータを持ち込みいただけましたら、データ作成費用を抑えることが可能です。

イラストレーター形式のデータは、具体的には.aiや.EPS .epsなどの拡張子が付いたファイルとなります。イラストレーターのソフトをお持ちでない場合はこれらのファイル形式でデータを持ち込むことが難しいのですが、以下のサイトではイラストレーター形式のフリー素材が入手できます。

イラストAC
https://www.ac-illust.com/

こちらのサイト内でお好きなモチーフをお選びいただきまして、配置などをご指定頂けましたら安くデータ作成が可能です。

下記のサイトではイラストレーター形式の筆文字ファイルのフリー素材もあります。
かなりたくさんの筆文字がありますので、チーム名に由来した筆文字が見つかるかもしれません。

brushstock
https://brush-stock.com/

JPGやGIFファイルなどからデータ作成もできるのですが、大きく拡大しますとジャギーと言って、斜めの線がギザギザの階段状になる現象が現れてしまいます。
これがイラストレーター形式の場合は、どれだけ拡大してもジャギーが現れません。

アイビスペイントなどのフリーソフトでロゴやプリントをお送り頂く場合は、画像をできるだけ大きくしたものをお送り頂けましたらデータ作成費用が抑えられます。
その際の設定ですが、テキスタイルプリントの解像度が200dpiとなりますので、新規キャンバスでキャンバスサイズはA4以上、解像度は300dpi以上、背景を透明にし「透過PNG保存」でデータを製作して頂けますでしょうか。

弊社利益を安くする方法

自社の利益をどのくらいにするかというのは大変悩ましいことです。
他の衣装製作業者さんとの競争となりますので、あまりに高い費用で見積もったのでは、ご依頼が頂けないからです。かといって安すぎると事業の継続が難しくなります。
適正な価格でお見積りをするようにしておりますが、ご依頼につながらなかったりすると「ぎりぎりまで安くしたつもりだったけど、高かったのかなぁ。」と思い悩むこともあります。

日々悩みながら見積もりをしているのですが、確実に安くできると言い切れる方法が一つあります。
それは

「冬にご依頼いただく」

ことです。
よさこい衣装の製作が集中するのは3月から9月頃です。
イベントが少なくなる秋から冬はご依頼も落ち着いてきますので、お仕事が全くなくてスタッフが暇を持て余すよりも、たとえ安くても仕事があったほうが、スキルアップにもつながり弊社にとってはありがたいので、この時期は安く見積もりをするようにしております。

デザインの選定期間も十分に取れますので、秋ごろには来年度の衣装製作の準備を始めていただけますと安い費用で高いクオリティの衣装が製作できます。

以上よさこい衣装を安く製作する方法をまとめてみました。
長い文章を最後までご覧いただきありがとうございました。